看護ケアのあり方に対する認識の変化

看護師として大切にすべきことの一つに患者さんの心のケアがあるでしょう。心のケア、つまり看護ケアといわれるものは近年重要視されており、看護師として長く活躍したいのならば知っておきべき項目です。従来の医療の現場では患者の体を治すことを何よりも優先していました。怪我や病気を治して体の調子を良好にすることを第一としてきましたが、体の調子を重視する一方で心の調子についてはほとんど無視されていたのも事実です。病気や怪我の治療のためといった理由で患者に苦痛を与えてしまうことも多く、心のケアについて配慮されていなかったのが事実でしょう。そのため、治療そのものを拒んでしまう患者も少なくなありませんでした。現在では看護ケアの方向性が見直され、患者の体だけではなく心のケアも必要であるという認識が広まっています。しかし、骨折や腫瘍のような目に見えて分かる疾患が心には存在しないので、心を対象にした看護ケアは具体的な効果を見い出すのが難しいのも事実です。

看護ケアは心療内科など心の病について詳しい診療科が受け持つのが最適ですが、医療の現場では患者の数の多さから現実的ではありません。また、自身の体調不良から来る不安や焦りの感情は看護の方法を工夫することによって解消が見込めるので、看護師による適切な対処が望まれます。看護ケアの講習などもあるので参加してみるなど、正しい知見を持つことが看護師にとって必要です。また、患者自らがポジティブな考えを持つことが重要なため、看護する側とされる側の双方の信頼関係が良い結果に導きます。患者ごとに最適な看護ケアの方法は異なるので、心身の具合をよく観察して接するのが看護師の必須スキルと言えるでしょう。もちろん、看護師だけではなく医師も看護ケアについて深く理解することも大切です。